逗子アートフェスティバル ZAF2014

ZAF2014総括

実行委員長 渡邉 忠貴

初冬の候、皆様におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 11月24日をもって、逗子アートフェスティバル2014(ZAF2014)のすべての行事を無事終了することが出来ました。

これは、ひとえに皆様企画者とこれを支援していただいた関係者の皆様の努力によるものであり、実行委員会を代表して、ここに深く感謝するとともに厚く御礼申し上げます。

ご存知の通り、今年は逗子市市制60周年の記念行事として位置付けられたZAF2014は、山重徹夫氏を芸術監督として迎え、9月20日のアートサイトをスタートラインとして、市民の中にすっかり定着したプロジェクションマッピング、指定管理者となった文化プラザホールのクラシックと光・映像とのコラボレーション、64回目を迎えた伝統の逗子市文化祭と逗子市民の独自のアイディアを具現化した市民企画のイベントえと引き継がれて、合計73の企画を展開させていただきました。

このように皆様がZAF2014の旗のもとにお集まりいただき、ユニークで上質な逗子らしい文化の香り豊かな活動を市内の22か所に及ぶ会場で展開していただいて、ZAF2014を盛り上げて下さったその熱い思いとエネルギーがZAF2014の真髄をなしており、我々実行委員会の背中を押して下さいました。皆様のこの気持ちこそが、アートフェスティバルのコア(核)であると信じます。

アートは瞬間芸術であり、その会場に足を運び、体感して初めてその感動を味わうことが出来ると、小生は考えていますが、まさにその感動の場を提供し、豊かな感性で感動を届けていただいた皆様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

この熱い思いを来年、再来年と続け、さらに次の時代に引き継いでゆくこと、これが実行委員会に課せられた次の課題と認識し、ステップアップを図ってゆく所存です。 末尾となりましたが、皆様の一層の発展を祈念して御礼に代えさせていただきます。

2014年12月1日
逗子アートフェスティバル2014実行委員会 委員長 渡邉 忠貴

本部企画 ZUSHI ART SITE 逗子アートサイト

逗子アートサイトイメージ
逗子アートサイトイメージ
逗子アートサイトイメージ
逗子アートサイトイメージ

ZUSHI ARTSITE2014「語りはじめる都市」

今回、美術館やギャラリーホールといった作品展示の為ではない場所から、芸術文化を発信することは、逗子という風土を育んだ土地に直接触れ、作家がその場で制作し観客が鑑賞するということを意味する。公共施設の場合、目的外使用というケースが多いので、アーティストと場所のマッチングには苦労したが、場所性の高いアート作品を通して、普段の生活では出会えない「気づき」と「感動」を私たちに与えてくれた。

東逗子の空きビルでは、逗子でサンプリングされた音の風景が広がる三好由起の「Sound Drops」や、実際に触れて遊ぶことが出来る逗子市のジオラマがスクロールする森本一朗の「ROUTE134」、時間帯によって刻々と金属の表情が変化する東城信之介の「saimeizu」など、鑑賞者の好奇心を掻き立てる作品が多かった。
商店街では風を受けて回転する半谷学の「Nature Umbrella in Zushi」や、逗子市出身の浦部裕光は商業施設内に脈動感のある動物の木彫を展示し、多くの人の足を止めた。
逗子の海岸を見渡せる黒門では、藤井龍徳が「潮の宿」という小屋の作品を設置し、美しい海岸風景を眺めながら、多くの対話を生むことができた。
そして、本展覧会で最も多くの作品が設置されている蘆花記念公園では、山頂付近に置かれた巨大なソファーのような丸橋浩の「クモフネ」、大野公士の森の中に佇む現代の枯山水と茶室「Distance: Face to Face book-ing」など実際に触れることのできる作品や、公園内広域に設置された赤松功の枝のインスタレーション「THE TRACES -'14・Zushi・The branches grow.」、2つある休憩室では大和由佳、藤原京子それぞれが質の高い独自の世界観を作り上げた。逗子在住の逗子ヤーンボンバーズは公園入口の木々を毛糸で包み込み、市民プロジェクトとして多くの人が関わった。

まだ他にも素晴らしい作品を作っていただいた多くのアーティストの話は都合上割愛させていただくが、参加アーティスト全員が、逗子という場所で出来る限りの最高の仕事をしていただいたと思う。逗子市は多様な自然環境と市民の活動が良い形で共存していると感じるので、今後も逗子らしい文化活動が続くように行政と市民とで支え続けて欲しい。

アートディレクター山重徹夫

メディアーツ逗子

メディアーツ逗子イメージ
メディアーツ逗子イメージ
メディアーツ逗子イメージ
メディアーツ逗子イメージ

 メディアーツ逗子は、2010年にプロジェクションマッピング企画としてはじまり、2013年までは逗子メディアアートフェスティバルと呼んでおりました。本年からはさらなるフェスティバルブランディングを図り、よりそのアウトプットを強めるために「メディアーツ(MEDI-ARTz)」というタイトルに変更いたしました。これまでの長いフェスティバルネームから、コンパクトでキャッチーなタイトルに変え、より印象的で呼びやすいものといたしました。
 全国に広がる多くのアートイベントは各地方の土地や施設が有る場所で行われる事が多く、また現代アートが中心です。このメディアーツ逗子を開催している逗子市は、東京へほど近い距離にありますが、美術館はおろか、ギャラリーや展示スペースを持っている場所は殆どありません。そうしたアート表現には一見適さない様な場所に於いて、逆の発想で企画立案しブランディングして来ました。美術館や広いスペースが無くても出来るクリエイター達の面白い表現、商店街を中心に人の営みが有る場所で表現をすることで新たな化学反応を狙い、そしてその触媒となるのは「映像」や「デジタル」「コンピュータ」等の先端技術を中心にした表現です。何故か?
「アート」や「芸術」と聞くと多くの人の想像するイメージは美術館で飾られた絵や彫刻、理解にしづらい現代アートではないでしょうか?そしてそうしたイメージはアートを市民から遠い物にし、日本人からクリエイティブな感覚を奪っているのです。そしてアートを扱う側の人間にもその責任の一端があります。今日、芸術は目まぐるしいスピードで進化し、変化を続けています。テクノロジーという現代社会のツールが有るからこそ、それは日常であり、実はとても身近なことでもあるのです。クリエイターの表現は本来、人々と社会を違った視点から繋ぎ、新たな価値を与えること役割です。そして今日その役割を担うのはテクノロジーやITといったモノに変わって来ています。クリエイターの表現のフィールドも同時に変化しており、多くの表現者が多様なフィールドで新たなものを生み出しています。ですがそうした物を「アート」と認識して、それを中心とした祭典を仕掛けているものは日本には殆どありません。
 逗子には魅力的な場所や人、そして何よりクリエイティブな感覚を持った人が沢山住んでいる町であります。そうした地域が持っている素養を引き出し、魅力と活気に溢れた町へして行く為にこのイベントは位置づけられております。
 今年度は例年以上の規模を設け、そして多くの方々のご協力を得る事が出来ました。お陰さまで今迄にない盛り上がりとなり、逗子の町がアートのカラーに染まるイベントの空気が作れました。ご協力、応援頂きました皆様、ここに感謝申し上げます。

メディアーツ逗子 石多 未知行

文化プラザホール連携公演 光と音が奏でる風景

光と音が奏でる風景イメージ
光と音が奏でる風景イメージ

10/26(日)、逗子文化プラザなぎさホールにて、オーケストラコンサートと光と映像のライブ演出の、開館以来初となるコラボレーションが実現し、成功裏に終了しました。神奈川県に縁のある気鋭の指揮者・上野正博氏の精確なタクトのもと、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団によってモーツァルトの傑作群が見事に奏でられ、同時に、逗子在住の映像作家michi(石多未知行)氏が独創性豊かなオリジナル作品をはじめ、逗子の自然をテーマとした映像(素材の一部は一般公募写真、また逗子観光協会の協力による)を反響板に投影し、ホール空間は響きと彩りで満たされました。聴きながら観ることによって生まれる新たな感動を多くのお客様と共有できたひとときとなりました。

第64回逗子市文化祭

第64回逗子市文化祭イメージ
第64回逗子市文化祭イメージ

 第64回逗子市文化祭は、10月13日(月休)〜19日(日)と、11月8日(土)〜21日(金)の前・後期に分かれて行いました。
舞台では、和楽器の合同演奏・三曲会、日本舞踊、詩吟の朗詠、そしてフラとウクレレの競演、子どもから大人まで華やかに踊るクラシックバレエ、シャンソンや合唱の歌声、江戸の女二題を語る名作朗読の会がそれぞれ熱演、市民劇団は進駐軍兵士も登場して戦後の情景を好演しました。
作品展示の部門では、鎌倉彫展や書道展、写真展、南画展、逗子・葉山の会員と生徒のいけばな作品展、市民公募による美術展など、逗子のアートが勢ぞろいした感がありました。その他、さつきや山野草の展示、市民囲碁大会、コントラクトブリッジ大会が開かれ、アマチュア無線の公開運用も行われました。鉄道模型展示・運転会では子ども達は勿論、大人も目の色を変えて熱中していました。

逗子市文化協会

市民企画

市民企画イメージ
市民企画イメージ

 市民や市民団体が企画立案から会場の確保や実施までを担う"市民企画"は、公募により、合計26企画、来場者数延べ約35,000人に至りました。2013年度に開催したプレアートフェスティバルと比較したところ、企画数は1増ですが、来場者数については昨年度の約2万人から飛躍的にアップしました。少しづつではありますが、アートフェスティバルが市民に認知されつつある証ではないでしょうか。
コンサート、ワークショップや展示など内容もバラエティに富み、会場も個人宅、教会、商店街や広場など市内のまちなかの様々な場所で実施されました。文化の拠点である逗子文化プラザだけでなく、まちなかでの文化活動が盛んになっていくことが、まさに本アートフェスティバルの狙いであり、楽しみながら交流し地域力を醸成していただく絶好の機会と捉えています。内容も総じて質が高くなったとのご意見をいただいており、逗子市民の文化芸術に対する造詣の深さに改めて敬意を表します。
すでに次回の開催時期に対する問合せもいただいており、ますます企画数、来場者の増加、企画のクオリティーのアップが期待されるところです。今後ともアートフェスティバル実行委員会として最大限のアドバイス等を行っていきたいと考えています。